調布駅前事件公訴棄却判決に関する会長声明

1997年10月28日、東京地方検察庁八王子支部は、調布駅南口事件の4名の被告人について公訴取消の手続をとり、これに基づき、東京地方裁判所八王子支部は、同事件について公訴棄却決定をした。


本事件は、1993年に起きた少年5名に関する傷害等の少年保護事件に関し、抗告審、差戻審等を経て刑事起訴され、うち1人については、去る9月18日の最高裁第1小法廷判決により公訴棄却が確定したが、実体審理が続けられていた残る4名の被告人に関するものである。


当連合会は、本事件に関し、会長声明により、少年法の理念に反する公訴権の行使について強く遺憾の意を表明するとともに、被告人の過重なる手続からの早期解放がなされるよう表明してきたところであり、今回の公訴取消・公訴棄却決定の措置は、当連合会の指摘に沿ったものとして歓迎するものである。


今後は、本件のような、少年法の趣旨に反し、少年に多大な負担を課す少年保護手続の運用が繰り返されぬよう、切望するものである。


1997年(平成9年)10月31日


日本弁護士連合会
会長 鬼追明夫