民事訴訟法改正問題に関する会長談話

本日、第136回通常国会において、民事訴訟法の改正案が一部修正のうえ可決・成立した。


衆参両院法務委員会委員、法制審議会委員をはじめとする本法案にかかわられた関係者各位のご見識並びに並々ならぬご尽力に対してあらためて深く敬意を表するものである。


今回の改正は、「時間と費用がかかりすぎる、利用しにくい」と久しく市民から批判を受けてきた民事裁判の現状を改革・改善する目的で検討されてきたものであり、当連合会も数年来「市民にわかりやすく利用しやすい司法」を目指して司法改革に取り組んできたところであって、全体としてはその方向・趣旨を同じくするものとして歓迎したい。


当連合会としては、われわれの提案に係る内容の修正にまで至らなかったことは残念ではあるが、当連合会の修正意見を含めて法案修正の方向を幅広くかつ明確に附帯決議において示された衆参両院法務委員会並びに関係議員の方々の熱意とご努力に対しては深甚なる敬意を表すものである。今後国会あるいは法制審議会においてあらためて公務秘密文書の取扱いの修正に係る審議が行われることとなるが、今国会における衆参両院の意見に沿った十分な修正審議が尽くされるよう期待するものである。


当連合会は、今後ともより良い民事訴訟法の完成と新法を基軸とする民事裁判の改善をめざして更に一層の努力を傾ける決意である。


1996年(平成8年)6月18日


日本弁護士連合会
会長 鬼追明夫