憲法50年会長談話

我々は、本年11月3日、日本国憲法公布50年を迎え、また、来年1997年5月3日には日本国憲法施行50年を迎えます。この50年は、わが国の平和、人権、民主主義の歴史において極めて重要な半世紀でした。当連合会は、これとほぼ重なる期間、日本国憲法の国民主権・基本的人権の尊重及び恒久平和主義の理念と弁護士法に基づき、基本的人権の擁護と社会正義の実現に向けて様々な活動をしてきました。


憲法50年に当たり、当連合会は、これまでの諸活動を憲法理念との関係で総括するとともに、21世紀に向けて、わが国やアジア、世界の平和の実現と人権の擁護及び民主主義の確立のために一層の努力をすることを誓うものです。また、当連合会は、このような観点から、全国の弁護士会、ブロック連合会などと連携して、この一年間、憲法50年を記念する各種の企画を実行すべく取り組みを開始しましたが、さらに、市民とともに市民のための司法の実現をめざした司法改革を推進し、また、国民主権の原理に立った情報公開制度の実現に向けて取り組みを強化するなど、世界に誇りうる日本国憲法の基本原理・理念のより一層の具体化と発展をめざして、市民とともに力を尽くす決意です。


1996年(平成8年)11月1日


日本弁護士連合会
会長 鬼追明夫