坂本堤弁護士遺体発見に関する声明

本日、坂本堤弁護士一家拉致事件に関して、警視庁と神奈川県警本部の合同捜査本部がオウム真理教の幹部・元幹部の供述に基づき捜索を行い、坂本堤さんの遺体を確認し、元幹部を逮捕したとの発表がなされました。


本日の警察の発表はいまだ確定的なものとは言いがたいものがありますが、私たちの期待を打ち砕き、厳しい結果を予測させるものです。坂本良雄さん、坂本さちよさん、大山友之さん、大山やいさんら親族、救出に向けて全力を捧げられた関係者の心情を思うにつけ、断腸の思いです。


基本的人権の擁護と社会正義の実現のために、業務を行っている弁護士に対し、家族まで巻き込み、その命まで奪うという許しがたい行為には、満腔の怒りを禁じ得ません。


日本弁護士連合会は1989年11月の事件発生以来、この事件は坂本堤弁護士の弁護士としての業務に関連して何者かにより拉致された疑いが極めて強いとの認識のもとに、一家の生存を信じ、捜査の継続強化の要請をはじめとして、救出のため様々な活動を展開し、多数の国民の皆様の理解と支援を得てまいりました。


国民の期待を背景に捜査を継続された捜査員の方々のこれまでの労苦を多としながらも、本事件の全容の解明に向け、捜査機関に対し適正かつ迅速な捜査を尽くすことを要請します。


日本弁護士連合会として、坂本弁護士一家の無事救出のためご協力をいただいた多くの皆さんに感謝するとともに、かかる事件が再発しないよう、今後とも国民の方々と手を携え、一層の努力をする所存です。


1995年(平成7年)9月6日


日本弁護士連合会
会長 土屋公献