死刑執行に関する声明

死刑確定者3名の死刑執行がなされた旨報じられた。これは、1993年の7名、昨年の2名の死刑執行に続くものである。


死刑については、国連経済社会理事会決議「死刑に直面している者の権利の保護の保障の履行に関する決議」(1989年5月24日)の日本を含む国連総会出席加盟国全会一致での承認、国連総会での死刑廃止条約の採択(1989年12月15日)のみならず、死刑の廃止への措置と死刑確定者などの被拘禁者の処遇改善に関する国際人権(自由権)規約委員会の日本政府への勧告(1993年11月4日)などの国際的な情勢とともに、国会内外における議論がなされている近年の状況を全く考慮しないものであり、多くの国民を納得させるものではない。


当連合会は、改めて、死刑制度の存廃についての議論が尽くされるまでの間、死刑執行を差し控えるべきことを強く求めるものである。


なお、当連合会は、現在、死刑制度問題に関する提案の策定のための調査・検討を行っており、弁護士会においても議論を行い、またアンケートやシンポジウムを実施するなどの取り組みを進めているものである。


1995年(平成7年)5月29日


日本弁護士連合会
会長 土屋公献