死刑執行に関する談話

昨日(平成6年12月1日)東京拘置所と仙台拘置所において、死刑囚2名について死刑執行がなされた旨報じられた。 平成5年の3月に3名、11月に4名の死刑執行に続くものである。


当連合会はこれまで死刑制度の存廃について国民的議論を尽すべきことを要請し、それまでの間、死刑執行を差し控えるべきことを求めてきた。


国際人権(自由権)規約委員会も昨年11月4日に日本政府に死刑廃止条約の批准及び死刑の廃止への措置と死刑確定者などの被拘禁者の処遇改善を勧告している。


また、国連総会は、本年11月14日、日本政府を含む70カ国の賛成により、死刑廃止問題を議題として取り上げることを決定した。


こうした状況にもかかわらず、国の秩序維持という観点のみで死刑を執行したことは多くの国民を納得させるものではない。


当連合会は重ねて今般の執行に遺憾の意を表するとともに法務大臣に、国民的議論を尽すまでの間、今後の死刑執行を差し控えられることを強く要望する。


1994年(平成6年)12月2日


日本弁護士連合会
会長 土屋公献