榎井村再審請求事件再審開始決定に際して

高松高等裁判所(第一部)は、本日、榎井村再審請求事件について、再審開始決定をなした。


同裁判所は請求人吉田勇氏の47年にわたる無実の訴えに対し、慎重な証拠調べを行った結果、有罪とした確定判決には誤判の疑いがあるとして、再審制度の理念に基づき、本日の決定をなしたものであり、当連合会は裁判所の真摯な態度と見識ある判断に敬意を表する。


当連合会は吉田氏の一日も早い無罪確定のために再審公判においても全力を尽すものであるが、裁判所及び検察庁においても、速やかに再審公判に取組まれることを求める。


また、当連合会としては、既に、このような冤罪を繰り返さぬように刑事裁判制度の改革運動を展開してきたが、これを機に、みなさまのご理解とご協力の下にさらにいっそう前進を期するものである。


1993年(平成5年)11月1日


日本弁護士連合会
会長 阿部三郎