警察の違法検問に関する声明

本日、東京地裁は、違法検問監視弁護活動に従事中、不当に逮捕された原告内藤隆弁護士から被告東京都に対する国賠請求訴訟について、原告の請求を認容し、被告に金100万円の支払いを命じた。


同判決が、原告の暴行がなかった事実を認定しただけでなく、警察の検問自体を違法と断定し、公務執行妨害罪により保護を受ける公務に該当しないと判断したことを高く評価する。


当連合会は、かねて集会参加者に対する違法検問や弁護活動に対する妨害に対し、重大な関心を抱き、1970年6月23日、違法検問について警察庁長官に対し警告を行うなどしてきたが、内藤弁護士に対する違法逮捕についても、1990年11月14日、弁護士全体にとって到底看過できないとする会長声明を発した。


当連合会としては、本日の判決によって、内藤弁護士に対するぬれぎぬが晴らされたことを喜ぶだけでなく、警察当局に対し、今回の判決を反省の素材とし、検問にあたって市民の自由や弁護活動を侵害したり、違法な権力行使に及ぶことのないよう強く訴えるものである。


1993年(平成5年)4月16日


日本弁護士連合会
会長 阿部三郎