千葉川鉄大気汚染公害訴訟和解解決について

本日、千葉川鉄大気汚染公害訴訟が、東京高等裁判所において、和解により解決した。


この裁判は、1975年(昭和50年)の提訴以来すでに17年を経過しているが、東京高裁の判決を受け最高裁に上告されることになれば、さらに長期化することは必至であった。しかし、「生きているうちに救済を」という被害者の声によって、この和解により被害の救済が図られることになったことは大変喜ばしく、関係者のご尽力に深甚の敬意を表するものである。


日本弁護士連合会は、かねてより公害被害の根絶と被害者の完全救済を図るため、種々の活動を行ってきた。しかしながら、今なお全国には多くの大型大気汚染公害訴訟が係属し、多数の被害者が早期の救済を求めている。今回の和解を契機に、これらの裁判においても、早期に被害者の完全救済が実現することを切望するものである。


1992年(平成4年)8月10日


日本弁護士連合会
会長 阿部三郎