経団連の意見書(わが国投資環境の整備と対日直接投資の促進)について

本日、社団法人経済団体連合会(経団連)が「わが国投資環境の整備と対日直接投資の促進」と題する意見書を発表した。この中の外国法事務弁護士の項において、外国法事務弁護士がわが国弁護士を雇用し、もしくは両者が共同経営を行うことを許容するなど、大幅な規制緩和を強く求めている。


しかしながら本意見書は、国民の人権擁護のためにあるべき司法制度や弁護士制度の本来のありかたに対する配慮を欠き、弁護士業務を単純にサービス産業と位置づけ、対日投資の拡大のため、外資ビジネスの利益に奉仕すべきものとするなど看過できない重大な問題点を含んでいる。


当連合会は、本年9月以降、法務省とともに外国弁護士問題研究会を主催し、経団連からの推薦メンバーを含む関係各分野の有識者とともに、時代の動きに対応できる弁護士の国際協力のありかたを探求している。


関係各位におかれては、広い視野と長期的観点から慎重な対応をされることを望む次第である。


1992年(平成4年)10月27日


日本弁護士連合会
会長 阿部三郎