会員に対する暴力事件発生について

昭和62年6月20日、浜松市において、当会会員であり暴力団事務所にかかわる訴訟の弁護団長の三井義広君が無法な暴力のため重傷を負うという誠に遺憾な事件が発生した。


この事件は、現在進行中の訴訟を含む暴力追放活動に対する暴力組織からの反発の一環としてなされたものであり、社会の法秩序に対する許すべからざる暴挙であるとともに、人権擁護を使命とする弁護士の活動に対する重大な挑戦である。


当連合会および会員たる弁護士は、暴力団などによる民事介入暴力の撲滅を目指して、これまでさまざまな努力を続けてきて、現在着々とその成果を挙げつつあり、こうした事件によって、仮にも我々の努力が中断されることは断じてありえない。


我々は、捜査機関が1日も早く犯人の逮捕とその背景・動機を解明し、この事件の全貌を明らかにすることを要望するとともに、我々もまた二度とこのような暴力事件が起らないよう暴力根絶のための活動に全力を尽くす所存である。


1987年(昭和62年)6月22日


日本弁護士連合会
会長 北山六郎