免田事件の無罪判決確定にあたって

本日、免田再審事件の無罪判決が確定した。


免田栄氏の不屈の闘志と、多くの方々の支援が見事に結実し、ここに晴れて自由の身となられたことを心から喜び、今後社会の一員として意義ある人生を送られるよう切にねがうものである。


免田事件は、財田川事件をはじめ他の冤罪の救済に明るい希望を与えるとともに、わが国の刑事司法のあり方に深刻な教訓を残している。国家は先ず、免田氏に対して十分な被害補償を実施してその非を詫び、現在も誤判の原因となっている自白偏重の捜査と裁判を厳しく反省し、速やかに再審法の不備を是正するなど、再びこのような事態を繰返さないことを、国民の前に明らかにすべきであろう。


日弁連は、他の冤罪事件が1日も早く救済されるようさらに力をつくすとともに、真に人権を尊重する司法の実現へ向けて今後とも努力を続けていきたい。


1983年(昭和58年)7月28日


日本弁護士連合会
会長 山本忠義