沖縄デー判決に関する談話

昭和54年7月24日の国選弁護人選任請求に関する最高裁判所第三小法廷判決は、任意的弁護事件に関するものであって、先に廃案となった「弁護人抜き裁判特例法案」とは直接の関係はない。しかし、任意的弁護事件であっても弁護人不在の法廷のまま審理がすすめられる事態は避けなければならないというのが憲法第37条の要請であり、また日弁連の基本姿勢でもある。


この事件は、昭和40年代前半の刑事法廷をめぐる極めて特異な状況下において生じたものであり、その後同種の事案は生じていない。今後は、「特例法案」に関し、日弁連が提案し、法曹三者の協議を経て、各弁護士会で創設した「特別案件に関する国選弁護人推せん制度」などの適切な運用と法曹三者の協力によってこのような事態の発生は未然に防止しうるものと確信している。


1979年(昭和54年)7月25日


日本弁護士連合会
会長 江尻平八郎