鬼頭判事補に対する罷免判決に関する談話

裁判官弾劾裁判所は、本日鬼頭史郎判事補に対し罷免の判決を言い渡した。同人に対しては、日本弁護士連合会においても、裁判官の適格性を欠くものとして罷免訴追の請求をしていたもので、弾劾裁判所が罷免の判決を言い渡したことは、当然のことであるとはいえこれを支持する。鬼頭判事補を生んだ土壌が強権的訴訟指揮を支柱とした最近の裁判所行政にあったことに対し、強く反省を求めるとともに、このような裁判官が約10年にわたって国民の権利を左右する裁判にかかわって来たことは甚だ遺憾であり、今後かかる不祥事の再び起らぬよう最高裁判所当局に強く要請したい。


1977年(昭和52年)3月23日


日本弁護士連合会
会長 柏木博