刑法全面「改正」の公開質問書に関する談話

刑法全面「改正」問題にかんする日本弁護士連合会の公開質問書について、各政党の御協力を頂いたことを深く感謝します。


自由民主党は、この問題につき「極めて慎重な検討を要しますので、世論の動向等も十分に考慮し、党に特別の機関を設置して検討させています」と回答されています。


私たちとしては、今後とも私たちの意見を十分に御検討頂くよう、積極的に努力していきたいと考えています。


野党各党は、いずれも、「改正」草案による刑法全面「改正」にたいして強く反対し、あるいは大きな疑問を提示されています。この「改正」の阻止運動を進めている私たちにとって心強いかぎりです。


この問題にかんする各党それぞれのとらえ方については、そのありのままを国民の皆様に見て頂くことが、この公開質問書の趣旨ですので、一切の評釈を加えることなく、回答全文を発表することにします。


この公開質問書と各党の回答を契機として、現在進行中の刑法全面「改正」問題につき、国民的な関心と論議がいっそう深められていくことを強く期待するものです。


1974年(昭和49年)7月1日


日本弁護士連合会
会長 堂野達也