参議院情報監視審査会平成29年年次報告書に関する意見書

 

2019年6月20日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連は、2019年6月20日付けで「参議院情報監視審査会平成29年年次報告書に関する意見書」を取りまとめ、同月24日付けで、内閣総理大臣、法務大臣、衆議院議長、参議院議長、衆議院情報監視審査会委員、参議院情報監視審査会委員、独立公文書管理監および内閣府公文書管理委員会委員長に提出しました。


本意見書の趣旨

参議院情報監視審査会(以下「本審査会」という。)は平成30年12月6日、特定秘密の指定等の運用に関し、平成29年年次報告書(以下「平成29年報告書」という。)を提出した。


当連合会は、特定秘密の保護に関する法律(以下「秘密保護法」という。)が、国民主権及び民主主義の根幹をなす国民の知る権利を侵害し、憲法に違反するなどの理由から、秘密保護法の廃止を求めているところであるが、平成29年報告書により、秘密保護法の問題点が改めて浮き彫りとなった。


当連合会は、同法の廃止を重ねて求めるとともに、その廃止までの間の暫定措置として、平成29年報告書を踏まえ、以下のとおり秘密保護法の運用の見直し及び関係法令の改正を求める。


1 サードパーティールール(第三者に情報を提供する場合、当該情報を提供した外国の情報機関等の了承を事前に得た上で行う原則)に係る特定秘密につき、これに該当する秘密であるという理由のみでの提供拒否は原則として許されないとした上で、提供を拒否できる場合について明確な要件や手続が定められるべきである。


2 特定秘密が記載された行政文書は、特定秘密の指定の有効期間満了まで確実に保存し、その後保存期間が経過したときは、廃棄することなく原則として全て国立公文書館等に移管しなければならない旨を公文書等の管理に関する法律(以下「公文書管理法」という。)等に規定すべきである。


3 特定秘密指定書、特定秘密指定解除書及び特定秘密指定延長書は、衆議院及び参議院の情報監視審査会(以下「両院情報監視審査会」という。)が特定秘密保護制度の運用を監視するに当たっての基礎となる重要な資料であるから、その内容を明確かつ具体的に記載するとともに、特定秘密指定書等の記載を変更した際には、当該特定秘密指定書等を速やかに情報監視審査会に提供し、各行政機関は必要に応じて報告すべきである。


4 特定秘密の指定は、内容と指定の要否を十分に吟味して慎重に行うとともに、指定の必要性がなくなれば、速やかに指定の解除がなされるべきである。


5 特定秘密の指定及び保有を行っていない行政機関が職員の適性評価を行う際には、適性評価が対象となる職員のプライバシーに及ぼす影響等に鑑み、その職員が特定秘密を取り扱う必要性を十分に検討した上で、真に必要がある場合のみに適性評価を行うこととすべきである。


6 特定秘密の提出・提示の要求等については、例えば、委員2名以上の賛成により行うことができるように採決要件を緩和するとともに、両院情報監視審査会は、特定秘密の提出・提示の要求を活用する等の方法により、特定秘密の指定が適正になされているかをより積極的に調査すべきである。


7 政府は、情報監視審査会報告書において指摘された事項については、明確な期限を設けて対応状況を公表すべきである。



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