「プラスチック資源循環戦略(案)」に対する意見募集に対する意見書

2018年12月20日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

環境省は、2018年11月19日付けで「プラスチック資源循環戦略(案)」を意見募集に付しました。
当連合会は、本件について2018年12月20日付けで意見を取りまとめ、12月21日付けで環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室へ提出しました。


本意見書の趣旨

1 廃プラスチックを焼却し、熱回収を行うことは、真に代替手段がない場合にのみ例外的に許容されるにすぎないことを戦略(案)に明記し、戦略(案)のうち、「熱回収」に関する以下の記載について修正すべきである。


(1) 1頁17~18行目「プラスチック廃棄物のリデュース、リユース、徹底回収、リサイクル、熱回収、適正処理等を行うためのプラスチック資源循環体制」との記載について、「、熱回収」を削除すべきである。


(2) 2頁28~29行目「使用後は、効果的・効率的なリサイクルシステムを通じて、持続可能な形で、徹底的に分別回収し、循環利用(熱回収によるエネルギー利用を含め)を図ります。」との記載について、「(熱回収によるエネルギー利用を含め)」を削除すべきである。


(3) 4頁28~31行目「分別・選別されたプラスチック資源の品質・性状等に応じて、循環型社会形成推進基本法の基本原則を踏まえて、材料リサイクル、ケミカルリサイクル、そして熱回収を最適に組み合わせることで、資源有効利用率の最大化を図ります。」との記載について、「、そして熱回収」を削除すべきである。


(4) 9頁2~5行目「2025年までに、プラスチック製容器包装・製品のデザインを、容器包装・製品の機能を確保することとの両立を図りつつ、技術的に分別容易かつリユース可能又はリサイクル可能なものとすることを目指します(それが難しい場合にも、熱回収可能性を確実に担保することを目指します)。」との記載について、「(それが難しい場合にも、熱回収可能性を確実に担保することを目指します)」を削除すべきである。


(5) 9頁6~8行目「2035年までにすべての使用済プラスチックを熱回収も含め100%有効利用する」との記載について、「熱回収も含め」を削除すべきである。また、「2030年までに、使い捨てプラスチック以外のプラスチックについては、100%リユース及びリサイクル可能とすることを目指す」との記載を追加すべきである。



2 戦略(案)8頁28~29行目「2030年までに、ワンウェイのプラスチック(容器包装等)を累積で25%排出抑制するよう目指します。」との記載のうち、「累積で25%」との部分について反対する。


「累積」との表現では、結果として基準年度と比較して、どの程度の排出抑制を求めるのか曖昧なままとなる。また、ワンウェイのプラスチックは、使用制限を含む大幅な対策が必要であって、「25%」の排出抑制の目標は低きに失する。ワンウェイ(使い捨て)のプラスチックについては、明確な基準年度を設定した上で、より大幅な削減目標を設定すべきである。




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