高等学校教科用図書検定基準等の改正案に対する意見書

2018年8月22日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

文部科学省は、高等学校教科用図書検定基準等の改正に関するパブリックコメントを行っています。
日弁連は、2018年8月22日付けで「高等学校教科用図書検定基準等の改正案に対する意見書」を取りまとめ、8月24日付けで文部科学省初等中等教育局教科書課宛てに提出いたしました。


本意見書の趣旨

改正案は、地理歴史科(「地図」を除く。)及び公民科について、「図書の内容全体を通じて、多様な見解のある社会的事象の取り上げ方に不適切なところはなく、考えが深まるよう様々な見解を提示するなど生徒が当該事象について多面的・多角的に考えられるよう適切な配慮がされていること。」との規定(以下「本件規定」という。)の新設を提案している(いずれも「1 選択・扱い及び構成・排列」の「(1)」)。
しかし、本件規定は、あいまいであるばかりか、「適切・不適切」という価値判断を含む検定基準であり、政府による恣意的運用や、教科書出版社及び執筆者が萎縮することによって、政府の意向に沿った記述が加えられるか、政府にとって都合の悪い記述がされている特定の事象が教科書から削除されたり、簡略化されたりすることになりかねず、国による過度の教育介入として憲法26条に違反し、子どもの学習権等を侵害するおそれがあるため、当連合会は、本件規定の新設に反対する。



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