働き方改革法案の「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」部分についての意見書

 

2018年3月15日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

日弁連では、2018年3月15日付けで「働き方改革法案の「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」部分についての意見書」をとりまとめ、3月27日付けで厚生労働大臣に提出しました。


本意見書の趣旨

政府は、2017年9月15日、労働政策審議会の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」(以下「要綱」という。)をおおむね妥当とする意見をうけて、要綱に基づく法律案(以下「働き方改革法案」という。)を今通常国会に上程し、法律の成立を図るとしている。

要綱に基づく働き方改革法案により、有期契約労働者、短時間労働者及び派遣労働者の低い労働条件を改善するため法整備をすることは評価するものである。

しかし、当連合会のこれまでの意見にもかかわらず、要綱は、有期契約労働者、短時間労働者及び派遣労働者の労働条件を改善するため法の趣旨の明確化やその実効性を担保するための方策について、さらに慎重に審議すべき課題も少なくない。そこで、今国会における法案の審議に当たり、働き方改革法案について、改めて、以下のとおり意見を述べる。

1 働き方改革法案の通称は、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保法」とすべきである。


2 「不合理な待遇の禁止」と「均等待遇」の関係につき、労働契約法20条の均等待遇の適用が後退しないように規定を定めるべきである。


3 法的効力の問題について、以下のとおり規定すべきである。
(1) 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部改正(以下「パート労働法」という。)の「不合理な待遇の禁止」規定が私法的効力を有することを明確化し、「差別的取扱禁止」規定については労働契約の内容を補充する効力を有するか否かを条文上明確に規定すべきである。
 (2) 労働者派遣法の一部改正についても、「不合理な待遇の禁止」規定が私法的効力を有することを明確化し、「正当な理由がなく不利なものとしてはならない」とする規定については労働契約の内容を補充する効力を有するか否かを条文上明確に規定するべきである。


4 派遣労働者に関する労使協定について、実効性を担保するための手続や賃金水準などを明確化すべきである。


5 司法による判断のための訴訟支援策(労働審判や日本司法支援センターの教示など)を設けるべきである。



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