不動産特定共同事業法施行規則の一部を改正する命令案及び「不動産特定共同事業の監督に当たっての留意事項について」の一部改正案に対する意見書

 

2017年10月26日
日本弁護士連合会

 

本意見書について

2017年10月13日、国土交通省は「不動産特定共同事業法施行規則の一部を改正する命令案」及び「『不動産特定共同事業の監督に当たっての留意事項について』の一部改正案」について意見募集を行いました。

 

日弁連は、2017年10月26日付けで「不動産特定共同事業法施行規則の一部を改正する命令案及び『不動産特定共同事業の監督に当たっての留意事項について』の一部改正案に対する意見書」を取りまとめ、国土交通省に提出いたしました。


本意見書の趣旨

1 規則案について
 (1) 規則案第11条(不動産特定共同事業契約約款の内容の基準)について、賛成する。ただし、規則案第11条第2項第2号につき、現行規則第8条第2項第2号ロの定めを維持すべきである。


 (2) 規則案第43条(不動産特定共同事業契約の成立前の説明事項)について、提案されている説明事項については、賛成する。ただし、規則案第43条第1項につき、現行規則第20条第1項第6号の定めを維持すべきである。また、以下の事項を、説明事項に加えるべきである。特に、①及び④については、注意喚起を求めるべきである。
① 出資条件、契約期間、損益の帰属、費用負担、業者の報酬、利益の分配、出資の価額の返還、譲渡の可否、情報の開示等が契約の定めによること、及びこれらをよく確認することが重要であること。
② 事業計画の内容(合理的な賃料水準・空き室率を前提とした賃料収入、経費負担や修繕費用負担、想定売却価格等を前提とした収支計画)。
③ リスク軽減措置(劣後出資等)の有無。
④ 空き室の発生、賃料の下落、物件の価値の下落等により、利益が分配されず、また、損失が発生するリスクが存すること。
⑤ (特例事業について)契約の相手方と運用業務を行う者が異なること、責任財産が特例事業者の財産に限定されること。


 (3) 規則案第38条(相手方又は事業参加者の保護に欠ける行為)に以下の定めを追加すべきである。
① 契約成立前交付書面の交付に関し、あらかじめ、投資者に対して、改正法第24条第1項に掲げる事項について投資者の知識、経験、財産の状況及び契約締結目的に照らして当該投資者に理解されるために必要な方法及び程度による説明をすることなく、不動産特定共同事業契約を締結する行為。
② 予想利回りを表示・説明する場合につき、合理的根拠及び計算根拠を示すことなく予想利回りを表示する行為、及び、予想利回りが得られないリスクについて具体的に注意喚起をすることなく不動産特定共同事業契約を締結する行為。


 (4) 規則案第49条(分別管理の方法)について、賛成する。ただし、第49条第1項第2号につき、不動産取得資金、一定額以上の工事資金、及び不動産売却代金については、預貯金として管理する期間を限定することを検討すべきである。


 (5) 規則案第54条(電子取引業務に係る業務管理体制)及び規則案第55条(電子取引業務に係る重要事項の閲覧)について、賛成する。


 (6) 規則案第19条(不動産特定共同事業者名簿等の閲覧)及び第69条(小規模不動産特定共同事業者登録簿等の閲覧)につき、インターネットによる公表について定めるべきである。


2 留意事項案について

(1) 第3-2許可の基準(1)の①②(約款内容審査の留意点)及び(3)、並びに、第4-2登録の許否事由の(1)の①②(約款内容審査の留意点)及び(3)について賛成する。


(2) 第7-3広告の規制について、賛成する。ただし、①権利の内容が契約の定めによるので契約の定めをよく確認することが重要であること、空き室の発生、賃料の下落、物件の価値の下落等のリスク、予想利回りを表示する場合は当該利回りが得られないリスクにつき、注意を喚起する記載を求めるべきである。


(3) 第7-4不当な勧誘行為等の禁止について、以下の点を改めるべきである。

① 不動産特定共同事業契約の概要や、当該契約による出資により現に行われる事業の概要、当該契約に基づく権利のリスクに関する説明が出資者に対して十分になされているかについて留意するものとすることを、追加すべきである。

② 第7-4(1)のについて、合理的根拠及び計算根拠が示されない予想利回り、及び予想利回りが確保されないリスクについて具体的に注意喚起しない利回り表示が許されないことを明らかにすべきである。

③ 第7-4(2)ロは、「元本の安全性を重視するとしている投資家に対して積極的に勧誘するなど、不適切な勧誘が行われていないか」と改めるべきである。


(4) 第7-9電子取引業務に関する特則について、賛成する。


(5) 不動産の取得及び売却の際のデューデリジェンスの適切性や利益相反防止体制等について、金融商品取引業者向け監督指針VI-2-6-3に準じた評価項目を、留意事項に定めるべきである。


(6) 都道府県や地方整備局においても適切な監督ができるよう、継続的に留意事項の充実を図るべきである。また、ウェブサイトにおいて、全国の不動産特定共同事業者の検索が可能となるようにするとともに、全国の不動産特定共同事業者及び宅地建物取引業者の行政処分例が一覧性をもって検索できるようにすべきである。
 


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