消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の施行に伴う政令(案)、内閣府令(案)、ガイドライン(案)等に対する意見書

 

2015年7月2日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

当連合会は、2015年7月2日に本件について意見を取りまとめ、7月3日に消費者庁において実施しているパブリックコメント募集への意見として提出しました。

 

本意見書の趣旨

今回公表されたガイドライン等(案)に対する当連合会の意見については、本意見書に添付する2015年5月7日付け当連合会「『特定適格消費者団体の認定・監督に関する指針等検討会』報告書に対する意見書」(以下「検討会報告書意見書」という。)のとおりである。そこで、本意見書においては、検討会報告書意見書において触れていなかった点及び「特定適格消費者団体の認定・監督に関する指針等検討会」報告書から変更されたと思われる点などについて、以下のとおり補充して意見を述べる。


1 今回公表されたガイドライン等(案)は、総じて、様々な観点からの意見を踏まえて一定のバランスを取ったものと評価し得るものであり、消費者庁は、今後、ガイドライン等を具体的に定めるに当たり、原則としてガイドライン等(案)の内容を尊重すべきである。


2 検討会報告書意見書において述べたほか、ガイドライン(案)等の以下の点については、本制度の適切かつ持続的な運用の観点からみて問題があり、ガイドライン等を定める際には更なる検討と改善が必要である。
(1) 特定適格消費者団体の業務規程に関して、特定適格消費者団体が行う対象消費者への被害回復裁判手続に付随する情報の提供については、情報を提供することが原則的な考え方とされるべきであり、特定適格消費者団体が「対象消費者の財産的被害の回復に資する」情報の提供をためらうようなガイドラインを定めるべきではない。少なくとも、情報提供を行うかどうかの考慮要素として掲げられている「公表されることにより事業者に与える影響」については、「被害を与えたと公表される事による影響」とされるべきである(ガイドライン(案)2.(2)イ)。
(2) 消費者裁判手続特例法第27条の規定に基づく相手方による公表に関する留意事項において、「その他これに類する方法」として「極めて多数の対象消費者がいると想定される場合は、新聞等に掲載する方法が望ましい」ことを加えるべきである(消費者裁判手続特例法第27条の規定に基づく相手方による公表に関する留意事項について(案))。
(3) 簡易確定手続の申立てをした特定適格消費者団体が対象消費者に対して行う法第32条の規定に基づく説明につき、直接の説明を不要とするための要件である対象消費者からの「本制度を理解した上での明示的表明」又は「ホームページの閲覧による説明事項を理解したことの確認」については、対象消費者の負担の少ない方法で確認ができるようにすべきである(ガイドライン(案)4.(4)ア(ア))。
(4) 特定適格消費者団体が対象消費者から受ける報酬及び費用を適切なものとするため、消費者庁において、特定適格消費者団体による事件の選定についてまで監督をすることは妥当ではなく、仮にこれを監督対象とするものとしても慎重かつ謙抑的な運用がなされるべきである。(ガイドライン(案)5.(4))。
(5) 異議後の訴訟等において特定適格消費者団体が対象消費者より受領し得る報酬及び費用につき、特定適格消費者団体において事案の特性に応じた適切な報酬額を定められるようにすべきである(ガイドライン(案)2.(6)ウ)。


3 検討会報告書意見書における意見のうち、被害回復関係業務に関して電磁的に保管されている帳簿書類等を書面化して保管することを求める必要がないとしていた点(意見の趣旨3項(2)⑤)については、ガイドライン等(案)において適切な対応が図られたものと考えられ、適当である。

 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)