防潮堤建設についての意見書

 

2014年11月20日 
日本弁護士連合会


 

本意見書について

当連合会は、2014年11月20日付けで「防潮堤建設についての意見書」を取りまとめ、12月3日付けで復興大臣、国土交通大臣、環境大臣、農林水産大臣、宮城県知事及び仙台市長へ提出いたしました。

 

本意見書の趣旨

東北地方太平洋沖地震による巨大津波の被災地(以下「被災地」という。)では、主として震災復旧事業として、また、その他の地域では来襲が予想される大地震による津波対策として、防潮堤建設が進められている。その中には、従来防潮堤が存在しなかったところに防潮堤を設けたり、従来の防潮堤の規模を大幅に上回ったりするなど、従前の防潮堤と位置・規模を同一とする復旧を超えるものも多い。このような防潮堤は、地域住民に対して安全、安心を提供する一方で、地域の自然環境、景観、及び生活環境を大きく変更させ、その地域における、住民の居住継続の意欲・基盤にも決定的な影響を与える。


防潮堤等は、本来、地域のまちづくり計画の中で、防災対策の一環として、どこに、どの程度のものを整備するかが決定されるべきものである。しかし、被災地において進められている復興事業の中には、まず防潮堤ありきで、環境や景観そして住民意思に対する配慮が十分になされないまま、進められているものも散見され、将来、誰も住まない地域に巨大な防潮堤だけが残されるといったことも懸念される。


当連合会は、かかる事態が生じることがないよう、現在、被災地で進められている防潮堤建設を教訓に、被災地であると否とを問わず、今後進められる防潮堤建設に関して、以下のとおり提言する。


1 防潮堤建設は地域住民との合意形成が図られるべきであり、住民の意見を十分に反映させる手続を整備すること。
2 防潮堤建設についても環境影響評価を行うこと。
3 防潮堤建設などの防災対策においては、国庫補助金の支出年限を限定せず、柔軟かつ十分な予算措置を講ずること。


 

 

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