復興事業用地の確保に係る特例措置を求める意見書

 2014年3月19日
 日本弁護士連合会


 

本意見書について

当連合会は、この度、復興事業用地の確保に係る特例措置を求める意見書をとりまとめ、2014年3月20日付けで内閣総理大臣、復興大臣、国土交通大臣、衆議院東日本大震災復興特別委員会委員、参議院東日本大震災復興特別委員会委員及び被災3県選出の国会議員に対し提出しました。

 

本意見書の趣旨

1 国は、東日本大震災の被災者の住宅の早期再建並びに被災地の堤防等の重要な防災施設及び避難道路等の重要な避難施設の整備のため、復興事業における事業用地の円滑かつ迅速な確保に資する特別の立法措置(以下「特例措置」という。)を早急に講じるべきである。


2 上記の特例措置には、以下の内容が盛り込まれるべきである。


(1) 特例措置の対象地域は、東日本大震災復興特別区域法(以下「復興特区法」という。)の対象地域に限られること。


(2) 特例措置の対象事業は、復興特区法に基づく復興整備協議会が同意した被災者の生活再建に関し高い公共性を有する復興整備事業に限定されること。


(3) 事業の公共性の認定に先立って、円滑かつ迅速な復興に支障のない限度で土地所有者等の調査及び通知を行い、事前説明会や復興整備協議会を開催する等、被災者たる住民が意見を述べる機会を十分に確保すること。


(4) 復興整備協議会の構成員に、学識経験者及び住民の代表者を加えること。


(5) 復興整備協議会が同意した事業に用いられる土地の区域の確定及び補償額の決定については、収用委員会等の都道府県に設置された行政委員会又は新たに国若しくは被災三県に設置する独立性の高い第三者機関(以下「行政委員会等」という。)が行うこと。


(6) 行政委員会等が決定した補償見積額の総額を事業者が予納した場合、行政委員会等は、事業者が土地を使用し工事に着工することを許可することができるものとすること。


(7) 行政委員会等は、補償見積額の総額を決定した後、一筆の土地ごとの補償額を決定し、事業者が補償見積額との差額を納付した後、土地の取得決定を行うこと。これにより、事業者は、初めて土地の所有権を取得するものとすること。


(8) 行政委員会等は、一筆の土地につき土地所有者ごとの個別の補償額を確定し、6か月程度の相当な期間内に、土地所有者の捜索及び補償金の支払い又は供託をすること。


(9) 行政委員会等による土地の区域の確定、補償総額決定、個別補償額決定などの各段階において、適切な不服申立ての機会が設けられること。 


(※本文はPDFファイルをご覧ください)