知的財産高等裁判所大合議事件についての意見募集に対する意見書(FRAND宣言について)

 2014年3月19日
 日本弁護士連合会


 

本意見書について

知的財産高等裁判所に係属中の大合議事件について、この度、初めての試みとして一般からの意見募集が行われました。これに対して当連合会は、3月19日付けで意見書を取りまとめ、本意見募集の要領に従い、訴訟代理人宛に提出いたしました。


※意見募集事項:標準化機関において定められた標準規格に必須となる特許についていわゆる(F)RAND宣言((Fair、) Reasonable and Non-Discriminatory な条件で実施許諾を行うとの宣言)がされた場合の当該特許による差止請求権及び損害賠償請求権の行使に何らかの制限があるか。

 

 

本意見書の趣旨

1 知的財産高等裁判所の今回の意見募集の取組を高く評価する。

 

2 FRAND宣言がされた場合の権利行使に対する制限の検討においては、FRAND宣言による第三者のためにする契約の成否、具体的な提示条件の下でのFRAND宣言への適合性、確定判決に生ずる既判力の範囲、及び(準)物権的請求権を行使するに際しての権利濫用の成否と不法行為の成否との関係につき、それぞれこれらの事項について判断すべき必要性を含めて慎重に検討すべきであり、その際には、私的自治の尊重、財産権の保障及び紛争の一回的解決に留意する必要がある。


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