「医療事故に係る調査の仕組み等に関する基本的なあり方」に関する意見書

 

 

2013年10月23日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

厚生労働省は、2013年5月29日に、「医療事故に係る調査の仕組み等に関する基本的なあり方」を公表しました。
当連合会は、2013年10月23日付けで本件について意見書をとりまとめ、厚生労働省に提出いたしました。

本意見書の趣旨

医療事故の原因を調査、究明し、同種事故の再発防止策を検討することは、安全で質の高い医療のために欠くことのできない取組である。このような医療事故調査制度の重要性を踏まえ、当連合会は、国に対し、今後、「医療事故に係る調査の仕組み等に関する基本的なあり方」に基づく医療事故調査制度の具体化に当たり、同制度の公正性・中立性を高め、医療の安全の向上に資する制度となるよう、以下の諸点を実施することを強く求める。

 

1 医療事故の届出制度につき
(1) 届出の対象とする死亡事例に、不作為に基づく事例を含むことを確認すること。
(2) 医療機関の第三者機関に対する対象事例の届出について、医療機関に速やかな届出の義務があることを明文化するとともに、遺族からの届出制度を設けること。

 

2 医療事故調査制度のあり方につき
(1) 公正・中立な調査の担保のため、事故調査委員会の委員構成としては、委員長を含め委員の過半数を外部委員とし、原則として医療以外の分野の専門家を加えるものとすること。
(2) 外部委員を選任するための「支援法人・組織」については、中立性・透明性・公正性・専門性を担保する制度とし、また、「支援法人・組織」は第三者機関に登録し、第三者機関が外部委員の選任等をすること。
(3) 院内調査において、遺族からの経過や意見の聴取を行うとともに、遺族から院内調査傍聴の希望があった場合、可能な限り尊重すること。
(4) 第三者機関が、院内調査の実施時点において、事故調査委員会の構成や事故調査の状況を把握し、必要な支援を行える仕組みを設けること。
(5) 院内事故調査を経ない第三者機関の独自調査の制度を設けること。
(6) 第三者機関の独自調査の申請者に調査費用の負担を求めないこと。

 

3 第三者機関のあり方につき
(1) 第三者機関の組織として、ブロック単位ごとの支局を設けること。
(2) 第三者機関の役割として、院内調査への積極的な支援、医療安全のための行政機関等に対する勧告、建議を含めること。
(3) 第三者機関の独自調査、勧告に実効性を確保するために、法的権限を明確にすること。

 

4 医療事故調査制度の実施に当たり
(1) 全国的に解剖ができるための体制整備を進めること。
(2) 医療機関における院内調査に対する支援も含め、医療事故調査制度の実効性を確保する十分な予算的措置を講ずること。
(3) 医療事故調査制度の意義、概要、手続などにつき、十分に周知すること。

 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)