産業構造審議会知的財産政策部会商標制度小委員会報告書「商標制度の在り方について」(案)に対する意見書

 

2013年1月16日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

2012年12月17日付けで特許庁が意見募集を実施した「商標制度の在り方について」(案)(以下「報告書(案)」という。)に関し、当連合会は、2013年1月16日付けで、産業構造審議会知的財産政策部会商標制度小委員会報告書「商標制度の在り方について」(案)に対する意見書を取りまとめ、同日、特許庁長官に提出しました。


本意見書の趣旨

1 報告書(案)は、商標の効果的な活用を推進するため、「Ⅰ 新しいタイプの商標の保護の導入」において、国際的趨勢に鑑み、「動き」、「輪郭のない色彩」及び「音」等の非伝統的商標(新しいタイプの商標)の保護制度を導入すること、並びに「Ⅱ 商標制度における地域ブランド保護の拡充」において、新たな地域ブランドの担い手である商工会、商工会議所及び特定非営利活動法人等を登録主体とすることを提案している(なお「Ⅲ その他」において、その他の商標制度に関する検討も行っている。)。


報告書(案)によるこれらの方向性について、当連合会は、基本的に賛成である。


2 報告書(案)が、我が国の商標制度上の懸案事項というべき、「商標」の定義に自他商品役務の識別性を追加規定する件について、自他商品役務の識別性が商標の本質的要素であることを明確化するために追加規定するとの結論をとったこと自体については賛成であり、評価する。しかしながら、当該結論について「引き続き具体的な条文に則して更なる検討を行っていくべきものとし、そのための具体策を講じるのが適当であると考える。」(報告書(案)Ⅰ・3「(3)商標の定義」の6ページ8~9行)と述べて、その実施を先送りしたことは画竜点晴を欠くものである。


3 先送りの理由たる2点の指摘はいずれも、守旧的な杞憂にすぎない。かねてより、海外主要国・地域の商標法においては、商標の定義規定において商標の本質的要素である自他商品役務の識別性を規定しており、我が国が、またしてもこれを先送りすることは、国際的ハーモナイゼーションの見地からも大いに問題がある。よって、速やかに、「商標」の定義に、商標の本質的要素である自他商品役務の識別性を追加規定するべきである。また、仮に、今回先送りする場合は、少なくとも、報告書(案)の「そのための具体策を講じる」ことを求める。

 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)