日本本土以外の戦闘地域・抑留地域における戦没者の遺体遺骨の捜索・発見・収容等の扱いに関する意見書

2012年11月15日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

日弁連は、2012年11月15日付けで、日本本土以外の戦闘地域・抑留地域における戦没者の遺体・遺骨の捜索・発見・収容等の扱いに関する意見書を取りまとめ、同年11月28日付けで厚生労働大臣宛てに提出しました。

 

本意見書の趣旨

日本本土以外の戦闘地域・抑留地域における戦没者の遺体・遺骨の捜索・発見・収容等の扱いについて、平和主義と個人の尊厳を中核とする基本的人権の尊重の基本原理及び先行行為者の責任に基づき、国の責務において、できるだけ速やかに以下の政策を実施すべきである。



1 未だ収容されていない日本本土以外の戦闘地域・抑留地域における戦没者113万余名の遺体を捜索・発見・収容すること。


ただし、その対象を、軍人、軍属及び準軍属に限定しないこと。


また、遺体の捜索・発見・収容に際しては、戦争により被害を受けた現地の国民感情、住民感情に十分配慮して行うものとすること。


2 千鳥ヶ淵戦没者墓苑に収蔵される戦没者遺骨の取扱いについては、一般の宗教的感情に配慮しつつ、収蔵過程の透明性を確保するとともに、同墓苑の設置管理運営全般の適正化に留意すること。


3 発見・収容された戦没者の遺体・遺骨の身元調査の目的を遺族への遺体・遺骨の引渡しに限定することなく、名を記して追悼されるためにも、遺体・遺骨の個体性の有無を問わずできる限り検体を採取してこれを保管し、広く遺族にも試料提出を呼びかけるものとすること。



なお、国は、上記政策を速やかに実施するに当たっては、国が現に保管する戦没者遺骨の全てにつき、その再焼骨を中断した上で、法律を制定して、実効的な取組に着手すべきである。
   

(※本文はPDFファイルをご覧ください)