東京電力株式会社の家庭電気料金の値上げ申請に関する意見書

2012年6月15日
日本弁護士連合会







本意見書について

当連合会は、2012年6月15日付けで「東京電力株式会社の家庭電気料金の値上げ申請に関する意見書」を取りまとめ、2012年6月28日に、内閣総理大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)、経済産業大臣、原子力損害賠償支援機構理事長、東京電力株式会社取締役社長宛てに提出しました。
 

本意見書について

今般の東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の規制部門電力料金値上げ申請について、国は、次の4点を明確にした上で、東京電力に経営合理化と説明責任を尽くさせた上で、新しい公共料金の許認可システムのモデルケースとして慎重に審理調査すべきであり、拙速に決定することのないよう求める。



第1に、企業経営上のコスト削減努力が十分なされているのか、適正な需要予測、無駄と虚偽のないコスト計上を前提に厳しく審査すること。また、自由化部門のうち産業用と業務用及び家庭など規制部門の各部門相互間で公平な負担配分がなされているか掘り下げて審査すること。



第2に、東京電力の金融機関に対する債務や株主責任及び福島原発事故に伴う賠償責任の負担の在り方について合理的方針を確定の上、事業報酬計上の可否やレートを審査すること。



第3に、発送電分離、再生可能エネルギー電力の送電網への優先接続と買取りの保障など、新規事業者が電気事業に参入しやすい事業環境を整備した上で、新規事業者の参入を自由化し、実質的な競争条件を早急に実現すること。



第4に、消費者庁・消費者委員会による公共料金問題についての消費者の立場に立った審査の在り方を明確に提示すること。



(※本文はPDFファイルをご覧ください)