特定商取引に関する法律の適用対象の拡大を求める意見書

2012年5月1日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

日弁連は、この度、「特定商取引に関する法律の適用対象の拡大を求める意見書を取りまとめ、2012年5月8日に消費者庁長官及び内閣府消費者委員会委員長に提出いたしました。
 

本意見書の趣旨

特定商取引に関する法律(以下「特商法」という。)における訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供について、脱法的取引による消費者被害の予防と救済を図るため、その適用対象取引を拡大すべく、特商法及び特定商取引に関する法律施行令(以下「特商令」という。)を以下のとおり改正することを求める。



1 特商法第2条第4項の「指定権利」について、「施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるもの」という限定を削除するとともに、適用される権利を「政令で定めるもの」とする指定権利制を廃止すること。



2 事業者が消費者に対して商品や権利を「販売」する取引や「有償で役務を提供」する取引とは評価し難い、消費者から物品を買い取る行為、外国通貨との交換(両替)、医療機関債に代表される消費者が事業者に金銭を貸し付ける行為などの取引も、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売の規制対象とするべきである。そのうち、外国通貨との交換(両替)や医療機関債の取引については、特商法第2条を改正し、「販売」、「役務を有償で提供」に加えて、「その他一切の有償取引」を規制対象取引とすること。また、事業者が消費者から物品を買い取る行為については、特商法の新たな第七の規制取引類型と位置付け、特商法の訪問販売、通信販売、電話勧誘販売に準じた規制をするとともに、事業者が消費者から物品を買い取る行為の特殊性に鑑み、特有の規制をすること。



3 特定継続的役務提供について、特商令第12条、別表第4を改正し、各種資格取得講座、大学受験予備校、ミュージックスクール、自己啓発セミナー(いわゆる「就活セミナー」や「婚活セミナー」を含む。)など、従来政令指定されている6つの役務と同様に消費者被害が多発している全ての類型の継続的役務提供を追加的に政令指定し、特商法の特定継続的役務提供の規制対象とすること。

 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)