「養育費・婚姻費用の簡易算定方式・簡易算定表」に対する意見書

2012年3月15日
日本弁護士連合会


 

意見書について

日弁連は、2012年3月15日付けで「『養育費・婚姻費用の簡易算定方式・簡易算定表』に対する意見書」を取りまとめ、同年3月22日付けで最高裁判所長官、厚生労働大臣に提出いたしました。
 

本意見書の趣旨

2003年3月、東京・大阪養育費等研究会が、判例タイムズ1111号で発表した「簡易迅速な養育費の算定を目指して-養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案」(以下「研究会提案」という。)に関し、 当連合会は、次のとおり提言する。



1 裁判所は、厚生労働省等の養育費実務関係機関及び当連合会と共に研究会提案を十分検証し、地域の実情その他の個別具体的な事情を踏まえて、子どもの成長発達を保障する視点を盛り込んだ、研究会提案に代わる新たな算定方式の研究を行い、その成果を公表すべきである。



2 養育費等に関わる実務関係者は、研究会提案の簡易算定方式・簡易算定表の仕組みと問題点を認識し、新たな算定方式が公表されるまでの間、研究会提案の簡易算定表を慎重に使用するものとし、同簡易算定方式の考え方(双方の総収入について、標準化した公租公課・職業費・特別経費を控除して、各基礎収入を算出し、その合計額について、指数化した生活費指数を用いて按分する考え方)を用いる場合には、子どもの福祉の視点を踏まえ、少なくとも公租公課を可能な限り実額認定し、その他、個別・具体的事情に応じ特別経費を控除しないなどの修正を加えて算定すべきである。



3 養育費等に関わる実務関係者は、新たな算定方式が公表されるまでの間、研究会提案の簡易算定方式・簡易算定表の問題点について、裁判所及び養育費相談支援センター等厚生労働省の事業等での周知を図るべきである。

 

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