司法サービスの全国展開と充実のための行動計画

2012年3月15日
日本弁護士連合会


 

行動計画について

日弁連は、2012年3月15日付けで、「司法サービスの全国展開と充実のための行動計画」を取りまとめました。
 

行動計画の趣旨

当連合会は、2001年に策定した「司法サービスの全国展開に関する行動計画」を踏まえ、司法サービスをさらに充実させるため、今後の10年間で取り組むべき新たな行動計画を、以下のとおり定める。



1 法律事務所の設置等


(1) 全ての地方裁判所支部管内において、弁護士ゼロワン解消状態を継続する。


(2) 人口3万人以上の簡易裁判所管内及び人口3万人以上の市町村において、弁護士ゼロ地域の解消を目指す。


(3) (2)以外で、人口に拘わらず、アクセスの不便性を総合的に考慮して設置の必要性が高いと判断される地域にも、法律事務所を設置する。


(4) 地方裁判所支部管内において、女性弁護士がゼロである地域を減らし、最終的には解消するための取組を行う。



2 法律相談サービス提供態勢の整備・確立


(1) 全ての地方裁判所支部管内に、弁護士会主催の法律相談センター(以下「法律相談センター」という。)を設置することを原則とする。地域の実情により設置が困難な場合にも、これに代替する制度(弁護士紹介制度、民事当番弁護士制度など)を整備し、1週間以内に弁護士による法律相談及び事件受任ができる態勢を確立する。


(2) 人口3万人以上の簡易裁判所管内及び人口3万人以上の市町村において、日本司法支援センター(「以下「法テラス」という。)、自治体(都道府県及び市町村)、社会福祉協議会、法務局、商工会議所等の機関・団体と積極的に連携し、1週間以内に弁護士による法律相談及び事件受任ができる態勢を整備する。



3 法律相談サービス等の充実



(1) 全ての地方裁判所支部管内に民事法律扶助の契約弁護士が2名以上常駐する態勢を整備し、かつ、法律相談センターは、原則として民事法律扶助による相談及び事件受任ができる態勢を整備する。


(2) 人口3万人以上の簡易裁判所管内及び人口3万人以上の市町村に法律扶助の契約弁護士が少なくとも1名常駐する態勢を目指し、かつ、法テラス、自治体等と連携して、民事法律扶助の事件受任ができる態勢を整備する。


(3) 法律相談センター(代替する制度においても同じ)では、必要に応じて女性弁護士の相談枠を設けるなどして、女性弁護士に対する法律相談ニーズに対応できる態勢を整備する。


(4) 法律相談センターの利用者が、できる限り法律相談だけでなく、弁護士会主催のADRセンターなどを利用して紛争解決が図られるように態勢を整備する。特に東日本大震災の被災地においては、震災・原子力発電所事故被害の損害賠償請求に関する対応態勢を整備する。



4 刑事国選弁護事件及び少年付添事件の対応態勢の整備


(1) 勾留後の被疑者国選弁護制度について、対象事件を全事件に拡大しても対応することができる態勢を確立する。


(2) 逮捕された全ての被疑者に国費で弁護人を付ける制度(逮捕段階における被疑者国選弁護制度あるいは国費による当番弁護士制度)の実現に備え態勢の確立を目指す。


(3) 少年鑑別所に収容された少年事件全件を対象とする全面的国選付添人制度の実現に備え、対応態勢を確立する。その他の弁護士付添人の援助が必要な事件についても、全国で確実に対応できる態勢を整備する。

 

(※本文はPDFファイルをご覧ください)