「特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案」に対する意見書

2011年11月9日
日本弁護士連合会


意見書について


特許庁総務課工業所有権制度改正審議室が2011年10月14日付けで意見募集を実施した、「特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案」に対して、当連合会は、同年11月9日付けで意見を取りまとめ、特許庁長官に提出しました。


意見書の趣旨

「特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案」のうち、「侵害訴訟等の判決確定後の訂正認容審決の確定による再審等における主張制限の対象について(特許法施行令、実用新案法施行令及び平成5年旧実用新案法施行令)」としてまとめられている部分に対し、次のとおり意見を述べる。


1 平成23年6月8日法律第63号の「特許法等の一部を改正する法律」により一部改正された特許法(以下「改正法」という。)
  第104条の4第3号は、政令に委任する内容となっているが、可及的速やかに法律事項に改正するべきである。

 

2 政府は、以下の各事項の説明を公表するべきである。 

 (1) 改正法104条の4が,同条第1号「当該特許を無効にすべき旨の審決」及び第2号「当該特許権の存続期間の延長登録を無
  効にすべき旨の審決」(以下,総称して「無効審決」という。)と、同条第3号で定めた「当該特許の願書に添付した明細書、特許
  請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決」(以下「訂正審決」という。)との間で、取扱いを異にした理由及び趣旨。
   そもそも、改正法第104条の4において,無効審決と訂正審決を区別した理由及び趣旨が明確ではなく、この点が政令案の
  理解を困難にしている。

 

 (2) 政令案第13条の4第1号及び第2号が、再審の訴えにおいてその確定を主張できる審決(再審における主張制限をしない審
  決)として想定している審決の内容。

 

 (3) 政令案第13条の4第1号及び第2号における「立証された事実」の内容。
   例えば、進歩性に係る主張では,「事実」(記載の内容や公知となった時期等)と「法律主張」が争いとなるが、「立証された事
  実」とは、「事実」と「法律主張」の全体を想定しているのか、又は、記載の内容や公知となった時期のみを「立証された事実」と

  想定しているのか、それともこれらとは異なるものを想定しているのかが明確ではない。

 
 

                                                          (※本文はPDFファイルをご覧ください)