2008年(平成20年)「改正」少年法の施行3年後見直しに関する意見書

2011年10月18日
日本弁護士連合会


本意見書について

2008年に「改正」された少年法は、施行後3年経過した後施行状況について検討し、必要な場合は所用の措置を講ずるものと定めています。
日弁連は、「改正」法の運用面を含めた4点について改善を求める意見書を取りまとめ、11月1日付けで最高裁判所及び法務省に提出しました。

 

 

本意見書の趣旨

1 家庭裁判所は、2008年(平成20年)の少年法「改正」に当たり、政府提出法案の条文が国会で修正された意義を再度確認し、被害者等の審判傍聴を許可するに当たっては、「少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認めるとき」との要件を慎重かつ厳格に判断すべきである。


2 家庭裁判所は、被害者等に審判傍聴を許可した場合でも、傍聴を許す手続の範囲について、被害者等の一時退席の措置(少年審判規則31条1項)などを含め、適切に判断・運用すべきである。



3 家庭裁判所は、被害者等が審判を傍聴する事案において被害者等からの意見聴取(少年法9条の2)を行う場合は、聴取の方法について慎重かつ適切に判断すべきである。審判の際の意見聴取は、一旦休廷した上審判廷外で行う、あるいは、審判廷から少年を退席させた上で行うことを原則とすべきであり、例外的に、少年が在廷する審判廷での意見聴取を認めようとする場合には、被害者等の意見内容を直前に改めて把握した上で、特に慎重に判断すべきである。そして、最高裁判所は、これらの点を明示する規則の制定を検討すべきである。



4 政府及び最高裁判所は、審判傍聴制度の適切な運営・運用を確保するため、家庭裁判所の人的・物的な態勢を早急に充実させるべきである。

 

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