災害弔慰金等の支給に関する意見書

2011年7月15日
日本弁護士連合会


本意見書について

日弁連では、災害弔慰金等の支給に関する意見書を2011年7月15日付けでとりまとめ、同年7月21日付けで内閣府特命担当大臣(男女共同参画)、厚生労働大臣、経済産業大臣、東京電力株式会社、各政党、各県宛てに提出いたしました。また、同年7月27日付けで内閣府特命担当大臣(防災)、東日本大震災復興対策担当大臣宛てに提出いたしました。

 

 

意見書の趣旨

1 災害弔慰金の支給等に関する法律3条3項で定める災害弔慰金の額について、支給額の差を撤廃するよう「死亡者のその世帯における生計維持の状況等を勘案して」を削除し、支給額を一律にすべきである。その際、一家族あたりの現行の支給額を下回らないよう配慮すべきである。



2 同法8条2項で定める災害障害見舞金の額についても支給額の差を撤廃するよう「死亡者のその世帯における生計維持の状況等を勘案して」を削除し、支給額を一律にすべきである。

また、2011年6月23日付け当連合会意見書「災害弔慰金の支給等に関する法律等の改正を求める意見書」のとおり、災害障害見舞金の額を増額し、一時払金のみならず、10年程度に期間を限定した上乗せ年金方式による支援金も加えるべきである。



3 被災者生活再建支援法3条で定める被災者生活再建支援金の支給要件から「世帯主要件」を削除し、個人単位の制度に改正すべきである。



4 各自治体から配分される義援金の支給要件から「世帯主要件」を削除し、個人単位の制度とすべきである。



5 東京電力株式会社より支払われる仮払補償金は、世帯ごとではなく、個人に対して支払われるべきである。そして、この場合、世帯主又は世帯の代表者が一括して請求・受領する形ではなく、支払い対象である個人が確実に受け取れるような運用とすべきである。



6 被災者再建支援金及び義援金の支給制度が個人単位の制度に改正される前の運用にあたって、また、仮払補償金が便宜上やむを得ず世帯ごとに一括して支払う運用がなされる場合においても、住民票の異動ができないため、住民票上は世帯の構成員でありながら別居して独立の生計を営んでいるドメスティック・バイオレンス事件被害者等、本来支援金、義援金及び仮払補償金を受け取るべき者が受け取ることができるようにするため、柔軟な運用を図るなど格段の配慮工夫を行うとともに、かかる運用について周知徹底を図るべきである。


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