知的障がいのある被疑者等に対する取調べの可視化についての意見書

2011年6月17日
日本弁護士連合会


本意見書について

日弁連は、2011年6月17日の理事会で「知的障がいのある被疑者等に対する取調べの可視化についての意見書」をとりまとめ、同年6月17日に法務大臣、検事総長及び警察庁長官宛に提出いたしました。


意見書の概要

当連合会は、2011年(平成23年)5月27日に開催された第62回定期総会において、「取調べの可視化を実現し刑事司法の抜本的改革を求める決議」を採択したが、同決議第2項における知的障がいのある被疑者等の取調べの可視化(取調べの全過程の録画)について、次のとおり求める。

 

  1. 知的障がいのある被疑者等の取調べの可視化については、障がいのある人に対する適正手続を保障し、裁判を受ける権利を保障するために行われるべきものであること
  2. 可視化の対象につき、知的障がいがあることが療育手帳等により明らかな場合はもちろん、捜査官において、知的障がいが疑われると判断されたときのみならず、コミュニケーション能力に問題があるとして、弁護人から相当な理由を示して録画の求めがあった被疑者については、取調べの全過程を録画の対象とすること
  3. 検察官の取調べのみならず、警察官の取調べについて、任意取調べの段階から全過程を録画すること
  4. 可視化の実施は、警察においても「試行」として、直ちに開始すること
  5. 取調べの際は、心理・福祉関係者の立会いを認め、助言を受けること
  6. 取調べを行う捜査官に対して、専門的見地からの研修を行い、障がい特性や供述特性について十分理解したうえで、知的障がいのある被疑者等の取調べにあたること

(※本文はPDFファイルをご覧ください)