裁判員法における守秘義務規定の改正に関する立法提言

2011年6月16日
日本弁護士連合会

 

本提言について

日弁連は、2011年6月16日の理事会で「裁判員法における守秘義務規定の改正に関する立法提言」をとりまとめ、同年6月17日に法務大臣宛に提出いたしました。

 

本提言の趣旨

日弁連は、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(以下「裁判員法」という。)における守秘義務規定について、厳格かつ広範な罰則規定(裁判員法108条)が表現の自由を過度に制約し、裁判員の経験の共有化を妨げるおそれがあること、及び、裁判員制度の運用に関する調査研究のためにその適用を除外する必要があることに鑑み、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律改正案(裁判員の職にあった者の守秘義務の限定)」のとおり、裁判員法を改正することを提言する。


(「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律改正案(裁判員の職にあった者の守秘義務の限定)」の骨子)


  1. 裁判員又は補充裁判員の職にあった者の罰則規定を改正し,罰則の対象となる行為の範囲を次の3つに限定する。
    ア 職務上知り得た秘密(評議の秘密を除く。)を漏らす行為
    イ 評議の秘密のうち、「裁判官又は裁判員の意見」を「当該意見を述べた者」の特定に結びつく形で漏らす行為。
    ウ 裁判員の職にあった者が、裁判員の任務が終了した日から10年が経過する前に「事実の認定又は刑の量定の当否」を述べる行為。
  2. 裁判員制度の運用に関する調査研究のため、守秘義務の適用除外規定を新設する。
    政府、最高裁判所又は日本弁護士連合会が裁判員制度の運用等に関する調査研究を目的として設置した機関に対して、職務上知り得た秘密を告知し又は事実の認定又は刑の量定の当否を述べる行為については、守秘義務規定の適用を除外する。


(※本文はPDFファイルをご覧ください)