えん罪原因調査究明委員会の設置を求める意見書

2011年1月20日
日本弁護士連合会


本意見書について

近年、まさに「えん罪ラッシュ」と呼ばなければならないほどに、多くのえん罪が発覚しています。えん罪の原因を究明しその防止に向けた対策をとることは、いまや、国民的な緊急課題です。しかし、内部調査によるえん罪原因究明には極めて大きな限界があり、えん罪原因の徹底的な究明を実現するためには、警察、検察及び裁判所とは別個の、独立した第三者機関によって調査がなされるべきことは明らかです。


このような状況を踏まえ、日弁連は、2011年1月20日付けで「えん罪原因調査究明委員会の設置を求める意見書」をとりまとめ、衆参両院議長、内閣総理大臣及び各政党に提出するとともに、法務大臣、検事総長、警察庁長官及び最高裁判所長官に参考送付しました。


本意見書の趣旨

えん罪の原因を調査究明し、その防止に向けた改革を政府、国会に勧告・提言するため、国会又は内閣に、第三者機関を設置することを求めます。


第三者機関は、えん罪であることが無罪判決により確定した最近の志布志事件、氷見事件、足利事件を直接の調査対象とし、その組織・権限の骨格は次のとおりとすべきです。
・国会ないし内閣の下に設置する(そのための立法をする。)。
・委員会は、無罪推定原則、「疑わしきは被告人の利益に」の原則に立つ。
・調査対象者は、事件に関係した捜査官、裁判官、弁護人、鑑定人、証人等に及ぶ。
・委員会は関係者を召喚し、資料の提出を命ずる権限を有する。
・証人には法的免責が与えられ、組織上不利益な扱いを受けない。
・委員会の調査、審議は、原則として公開する。
・委員会の構成は、学識者、法律実務家、ジャーナリストや救援組織などの有識者、えん罪被害体験者を含む。


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