「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」に関し、児童福祉施設等について、最低限の国家的設置基準を堅持することを求める意見書

2010年11月17日
日本弁護士連合会


本意見書について

当連合会は、地域主権改革、地方分権改革全般について、現段階で一定の意見を述べるものではありませんが、住民自治・団体自治を謳う憲法92条の趣旨に合致する限りにおいて、その積極的意義を評価しています。


しかし、児童福祉法45条を根拠に厚生労働省令で定められる現行の児童福祉施設最低基準は、子どもの成長発達権保障という観点からは、決して十分とは言えず、まさにこれより下げてはならないぎりぎりの「最低基準」です。


当連合会は、これまで何度も児童福祉施設最低基準の見直し(底上げと法制化)を求めてきました。一方、第174回国会に提出され、現在、衆議院において継続審議となっている「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」では、地域主権改革の名のもと、現行最低基準を下回るような基準を各地方自治体が定めることができるような制度とすることが検討されています。


当連合会は、少なくとも児童福祉施設等で措置にかかる施設等の設置運営基準については、子どもの成長発達権を保障することが不可欠であり、各地方自治体の自主的規律・基準設定に委ねるべきではなく、最低限の国家的基準(いわゆるナショナル・ミニマム)を堅持すべきであると考え、本意見書をとりまとめました。


本意見書は、2010年11月24日に「地域主権戦略会議」に提出するとともに、各政党や省庁などに参考送付しました。


本意見書の趣旨

第174回国会に提出され、現在、衆議院において継続審議となっている「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」及び今後提案が予想される地域主権改革関連法案のうち、少なくとも児童福祉施設等で措置にかかる施設等の設置運営基準については、各地方自治体の自主的規律・基準設定に委ねるべきではなく、最低限の国家的基準(いわゆるナショナル・ミニマム)を堅持すべきである。


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