精神医療の改善と医療観察法の見直しに関する意見書

2010年3月18日
日本弁護士連合会


本意見書について

精神障害に起因して発生した事件にどのように対応するのかについて、日弁連は一貫して対象者に対する医療と社会復帰のサポートを徹底させる立場を堅持してきました。


心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「医療観察法」という。)は、当初の政府原案では「再犯のおそれ」を処遇要件とし、そのおそれが消失しなければ退院できない構造のまさしく保安処分として提案されましたが、国会の審議において「この法律による医療の必要」と処遇要件が修正されました。今年7月には附則4条による施行後5年の見直し期を迎えることになります。


処遇要件が修正されたことを含め、付添人の積極的な活動や関係各職種の方々の関与、医療観察法の審判例や多職種協働チームによる手厚い医療の実施が、保安処分的運用に一定の歯止めをかけ、一般精神科医療の改善方向を示すものと評価しうるものと考えられます。


日弁連はこの5年間の実施状況の積極的側面を評価し、一般精神医療と医療観察法を「医療と社会復帰促進の法」に進めるため、2010年3月18日「精神医療の改善と医療観察法の見直しに関する意見書」を取りまとめ、同月26日に法務省及び厚生労働省に提出しました。


日弁連の見直し意見が広く議論され、その方向に見直す声が大きくなれば、日本の精神科医療の改善をも進める原動力となるものと考えています。


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