「交通基本法」の制定についての意見書

2010年2月26日
日本弁護士連合会


本意見書について

2010年2月1日付けで、国土交通省において、「交通基本法」の制定について意見募集手続に付されたため、日弁連はこの度、これに対応するものとして2010年2月26日付けで「『交通基本法』の制定についての意見書」をとりまとめ、2010年3月2日に国土交通省に提出いたしました。


本意見書の趣旨

日弁連は、道路公害の被害救済に端を発し、人権救済の観点から、国に対し、総合的な交通政策の実施を継続的に求めてきたところである。本交通基本法案(以下「本法案」という。)は、正面から交通権の保障を規定し、権利保障の側面から従前の交通に関わる問題点を解決するとともに、将来あるべき交通の姿を実現していこうとする点で高く評価できるが、さらに、以下のとおり改善すべき点が見られるので、指摘する。


  1. 人の生命身体への危険性への言及について
    自動車公害の経緯を踏まえ、人の生命身体への危害が及ぶ危険性についても本法案に明記する必要がある。


  2. まちづくりとの連携
    交通基本法に基づく交通基本計画と、都市計画が一体となって実施される法整備が必要である。また、都道府県連合、市町村連合による共同計画の立案・実施を可能とすべきである。


  3. 住民参加
    本法案で、より具体的に住民参加の方法及びその位置付けを明記し、住民参加を実質化すべきである。


  4. 自動車交通削減、公共交通整備・利用者増の目標値の設定
    自動車交通量の削減目標、公共交通機関の整備目標と利用数の増加目標の具体的数値が設定されるべきである。

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