独占禁止法の審判制度廃止(取消訴訟制度移行)に伴う行政処分前の手続等に関する意見書

2010年2月5日
日本弁護士連合会


本意見書について

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)の改正に関し、公正取引委員会の審判制度を廃止して取消訴訟に移行することを内容とする2009年12月9日付け公正取引委員会担当政務三役「独占禁止法の改正等に係る基本方針」が公表されました。


日弁連は、これまで、公正取引委員会の措置に対する不服申立て手続に関し一部の重大な措置につき裁判所による取消訴訟と公正取引委員会による審判の選択制を採用すること等を内容とする意見を発表してきました。


本意見書は、審判制度が廃止され取消訴訟に全面的に移行する政府の法改正の方針が明らかにされたことから、公正取引委員会の行政処分前の手続(以下「事前手続」という。)における手続保障を十全なものとし、また、充実した取消訴訟の審理を確保する観点から、新たな事前手続に関して述べるものです。内容は以下のとおりです。


事前手続の充実化・透明化については、以下のような一定の手続保障を前提として、迅速かつ実効的な処分がなされることを確保すべきである。


  1. 事前説明手続の前に、違反事実を積極的に認定する証拠だけでなく、原則として公正取引委員会が認定する事実を基礎付ける証拠の証明力を判断するために必要な証拠の閲覧及び謄写を認めることとすべきである。
  2. 処分に関与していない職員(手続管理官(仮称))に事前説明手続を主宰させる制度とすることには賛成であるが、手続管理官の権限・義務(手続指揮及び事前説明調書の作成)を明確化するとともに、事前説明調書の閲覧及び謄写並び取消訴訟裁判所への送付を認めることとすべきである。

本意見書は、2010年2月18日、公正取引委員会、担当国会議員等に提出しました。


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