環境影響評価制度総合研究会報告書(案)に対する意見

2009年6月25日
日本弁護士連合会


本意見書について

環境影響評価法附則第7条では、「政府は、この法律の施行後10年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」こととされています。


環境省は、これを踏まえ環境影響評価制度総合研究会を開催し、環境影響評価法に基づく環境影響評価手続の実施状況等の総合的な調査研究を行っており、今般、2009年6月5日付けでこれまでの議論を踏まえた「環境影響評価制度総合研究会報告書(案)」を公表しました。


日弁連では、公表された「環境影響評価制度総合研究会報告書(案)」に対し意見をとりまとめ、同年6月25日付で環境省に提出しました。


意見の趣旨

日弁連は、2008年11月18日に「→環境影響評価法改正に係る第一次意見書」(以下「第一次意見書」という。)と題する意見書を公表し、全面施行後10年の節目を迎えた環境影響評価法改正の必要性を明らかにし、その課題と解決の方向性を世に問いました。


今般、意見を求められた「環境影響評価制度総合研究会報告書(案)」(以下「報告書(案)」という。)には、第一次意見書の趣旨が随所に盛り込まれ、「環境影響評価制度の変遷及び法制定後の動向」や「環境影響評価制度の現状」について分かりやすくまとめられている一方で、散見される問題点については以下のとおり指摘しています。


  1. 報告書(案)が両論併記の形式を採ったことにつき、環境影響評価制度総合研究会(以下「研究会」という。)としての意見提出が求められている以上、単なる両論併記に終始することなく、研究会においてコンセンサスが得られた意見や多数意見に関しては、研究会としての意見を公表すべきことを指摘した。
  2. 第一次意見書に対する批判的意見に対し、環境保全、アセス制度の信頼性・実効性確保、アセス手続における市民参加・情報公開・透明性確保・説明責任の徹底の見地などから反論・指摘した。
  3. 報告書(案)で言及されなかった第一次意見書の主要な箇所を摘示し、報告書(案)において検討課題として取り上げるべき論点を指摘した。

よって、日弁連は、本意見をもってまず、報告書(案)における意見表明のあり方について指摘し、次いで、報告書(案)の特定箇所につき第一次意見書を敷衍した意見を述べ、さらに、報告書(案)で言及されていない第一次意見書の部分を指摘し、なお、報告書(案)全体に対する意見として、第一次意見書を添付して提出しています。


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