「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律案(エネルギー供給構造高度化法案)」に対する意見書

2009年4月17日
日本弁護士連合会


本意見書について

2009年(平成21年)2月24日、二階経済産業大臣は、記者会見において、2008年(平成20年)7月29日閣議決定に係る「低炭素社会作り行動計画」で策定された太陽光発電の導入拡大と低コスト化に関する対策として、「家庭などでの太陽光発電による余剰電力を一定価格で電力会社が買い取ることを義務付ける日本型買取制度」の創設を打ち出し、これを法律に盛り込むことを明らかにしました。


ところが、2009年(平成21年)3月10日に閣議決定された「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律案」には、同大臣が記者会見において述べていた太陽光発電の固定価格買取制度については明記されておらず、その上、その対象が化石エネルギー原料及び原子力エネルギー等エネルギー供給全体に及び、エネルギー政策の根幹を定めるものとなっており、重大な問題があることから、日弁連は同年4月17日に意見書を取り纏め、同日、経済産業省及び環境省に提出しました。


意見の趣旨

  1. 本法律案の目的(1条)に、地球温暖化防止のために、エネルギー供給における二酸化炭素排出削減を明示し、その目的実現のため石炭からの燃料転換の必要性などの条項を加えるべきである。


  2. 本法律案において、「非化石エネルギー源」(2条)を「再生可能エネルギー源」と「原子力その他の非化石エネルギー源」に区分し、本法律案の目的(1条)に、再生可能エネルギーの飛躍的拡大と原子力その他の非化石エネルギー源の利用の抑制の方針を明示すべきである。


  3. 本法律案に、
    エネルギー供給事業者が、すべての再生可能エネルギーによる発電電力を、早期の投資回収が可能となるような十分な期間、相当な固定価格によって買い取る義務を明示すべきである。


  4. 本法
    律案の名称は、「再生可能エネルギーの利用の拡大と二酸化炭素の排出削減及び原子力の利用の抑制に関する法律案」とすべきである。

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