国選弁護報酬改善の基本方針

2007年(平成19年)8月23日
日本弁護士連合会


 

日弁連は、2007年8月23日理事会にて、2009年の被疑者国選の拡大、裁判員裁判の実施をみすえ、国選弁護報酬について、改善の基本方針を別添の通りとりまとめました。本方針は関係各機関に提出しております。


要旨

2006年10月以降、国選弁護報酬は、日本司法支援センターが策定した基準により支払われることとなった。新たな支払基準を定めるにあたっては、(1)基準の明確化、(2)労力比例、の2点が取り入れられたものの、報酬額の水準については従前からの改善が見られず、また、労力を十分に反映するものとはなっていない。


長年、国選弁護は弁護士のボランティア精神に依拠して運営されてきた実態があるが、2009年の被疑者国選の拡大、裁判員裁判の実施に向け、多くの契約弁護士を確保するとともに、刑事弁護に精通した弁護士を育成し、公正な刑事司法を担保するには、弁護人が適切に弁護活動を行うに足りる十分な報酬の確保が必須であり、そのためにも、改めて報酬基準を見直し、適切な弁護報酬を実現することは国の責務といえる。


「適切な弁護報酬」とは、「弁護人が弁護士として事務所経営を維持しながら、適正な弁護活動を行うために必要とされる報酬」であり、最低限の経費(時給換算で8313円。2006年弁護士センサス集計結果による。)の補償はもとより、経営を維持するために必要な収入時間単価(1万5202円。同センサスによる。)の実現を目指していくべきである。


日弁連は、上記の基本姿勢を前提に、適切な弁護報酬の実現に向け、別添の通り、現行の弁護報酬について、基礎報酬、実費、労力加算、成果加算の各点の改善を求める。

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