割賦販売法の改正を求める緊急意見書

2005年(平成17年)10月18日
日本弁護士連合会


本意見書について

近時、高齢者を狙って住宅リフォーム工事や布団、呉服等を次々と契約させるなどの悪質商法に、クレジットが利用されている事例が急増しています。年金生活者がこうした被害に遭って、預貯金の全てを失ったうえに、多額のクレジット債務まで負担させられている事例も少なくありません。


クレジット取引を規制している割賦販売法は、支払の期間や回数、購入する商品等によって適用範囲を制限するなど、購入者の保護にとって不十分な点が少なくありません。


さらに、前述のような悪質商法にまでクレジットが使われてしまう原因として、信販会社による販売店(加盟店)の管理が不十分なこと、顧客の支払能力についての審査が甘いことが挙げられます。ところが、現行の割賦販売法には、信販会社に対し加盟店の管理を義務づける規定がありません。また、信販会社に対し購入者の支払能力を超える契約を行わないように努めることを求める規定(同法38条)はありますが、これも単なる訓示規定にとどまっていて実効性を欠いています。


そこで、日弁連は、割賦販売法の改正を求める緊急意見書を10月18日の理事会で取りまとめました。その骨子は、次のとおりです。


  1. 1回払いや2回払いのクレジット契約も適用対象に加える
  2. 政令指定商品制を廃止し、全ての商品・権利・役務についてのあらゆる取引を適用対象とする
  3. 抗弁対抗の効果を、未払金の支払停止のみならず、既払金の返還請求権にまで拡張する
  4. 信販会社の加盟店管理義務を法律上に明記する
  5. 法律上で、信販会社に対し顧客の支払能力の調査を義務づけ、支払能力を超えるクレジット契約の締結を禁止する

この緊急意見書は、11月1日に経済産業省に提出しました。


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