貸金業の規制等に関する法律施行規則の改正を求める意見書

2005年(平成17年)8月26日
日本弁護士連合会


 

本意見書について

利息制限法上の上限金利を超える利息は無効ですが、貸金業規制法43条1項の「みなし弁済」規定は、利息制限法の上限金利(元金10万円以上100万円未満の場合18%)を超えても出資法の制限金利(29.2%)以下であれば、一定の要件(上限金利を超えていることを認識した上での支払であること、貸金業者が受取証書を交付していることなど)を満たせば「有効な利息債務の弁済とみなす」と規定しています。


しかし、この「みなし弁済」規定はあくまでも例外措置ですから、その適用は厳格にすべきであるというのが最高裁判例です。また、その補足意見は、(1)利息制限法に違反する約定利息を支払わなければ期限の利益を失うという文言が契約書面に記載されている場合には「自由な意思に基づく支払」とはならず、みなし弁済規定を適用できない。(2)契約書面や受取証書は債務者が「正確かつ容易に理解できる」ものでなければならないとしています。


ところが、貸金業者がTVコマーシャルなどにより利息制限法違反の利率による貸付を堂々と宣伝しているため、一般消費者に、法的には支払義務のない利息制限法超過利息が、あたかも支払義務のあるものとの、誤解を招く結果となっています。正確な情報を提供すること、消費者の誤認に乗じてはならないこと、契約内容を平易な表現で明記することなどは、事業者の責務です。


そこで、日弁連は、出資法の上限金利を引き下げ、利息制限法の規定する上限金利と一致させる金利の見直しが行われ、みなし弁済規定が廃止されるまでの間の弊害を防止する措置として、貸金業規制法施行規則を7項目にわたり改正すべき旨の意見書を2005年8月26日開催の理事会でとりまとめました。


この意見書は、同年9月6日金融庁長官に提出しました。

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