関西電力株式会社美浜発電所事故に関する意見書

2005年(平成17年)6月17日
日本弁護士連合会


本意見書について

2004年8月9日発生した関西電力美浜原子力発電所3号機の事故は、加圧水型原発の二次系配管が破裂して高温の蒸気が噴出し、11名が被災し、うち5名が死亡するという重大事故でした。事故の原因は、配管の減肉(浸食と腐食による肉厚の減少)による強度不足にあることが判明していますが、当該配管は定期検査のリストから欠落しており、運転開始以来28年間まったく検査されないままでした。


その後の2005年3月1日、関西電力は、本件事故についての調査結果と、再発防止策についての報告書を提出しましたが、その内容は十分とはいえないものでした。また、国の原子力安全規制行政の問題点も、改善されないままとなっています。


そこで、日弁連は、本件のような重大事故の再発防止のため、6月17日の理事会において以下の意見をとりまとめました。


1 国と関西電力は、本件事故原因について、さらに十分な調査を行い、本件事故責任の所在を明らかにしたうえで、的確な事故の再発防止策を再検討すべきである。


2 国は、関西電力による十分な再発防止策が講じられるまでは、関西電力美浜原子力発電所3号機の運転再開を認めるべきではない。


3 国と電力会社は、すべての原発について配管の減肉状況を速やかに総点検すべきである。


4 国は、既存の原発について、当初の設置許可の有効期限を25年と定め、その後許可を更新する場合には、期限は10年以内とし、許可更新に際しては、厳格な安全審査を行うべきである。


この意見書は、2005年6月17日に、経済産業省、電力会社など関係諸機関に提出しました。


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