凶悪・重大犯罪に対処するための刑事法の整備に関する意見書

2004年8月19日
日本弁護士連合会


本意見書について

意見の趣旨

「凶悪・重大犯罪に対処するための刑事法整備に関する諮問(第69号)」に対する当連合会の意見は、次のとおりである。

  1. 有期懲役・禁錮の法定刑の上限を20年とし、有期懲役・禁錮を加重する場合の上限を30年とするなどの有期刑の重罰化(要綱(骨子)第一)には反対する。
  2. 世界の趨勢に鑑み、性的自由の侵害に係る罪については男女の差を設けない構成要件を新たに検討し、そのそれぞれに見合う刑を規定すべきである。
    新たに設けられる各罪のそれぞれの刑は、強盗罪等の法定刑の適正化を図りつつ、それらとの権衡を考慮して決められるべきである。
  3. 下限を懲役5年以上とする強盗罪、同じく7年以上とする強盗致傷罪の法定刑をそれぞれ、下限3年以上、6年以上に引き下げるべきである。
    また、窃盗、詐欺等の財産犯の一部の罪に罰金刑を選択刑として新設すべきである。
  4. 殺人の罪の法定刑の下限3年以上を引き上げて5年以上とすること等(要綱(骨子)第三)には反対する。
  5. 傷害の罪の法定刑の上限を10年から15年に引き上げること等(要綱(骨子)第四)には反対する。
    ただし、傷害の罪(要綱(骨子)第四、一)につき、罰金を50万円に引き上げ、法定刑から科料を廃止することには賛成する。
  6. 公訴時効期間の延長(要綱(骨子)第五)については、被告人・弁護人の防御権の行使をより困難にする等の弊害があることから反対する。

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