建築基準法改正に関する意見書『住宅検査官』による検査制度の導入を

1997年(平成9年)10月17日
日本弁護士連合会


本意見書について

現行建築基準法の下で建築主事による検査が事実上行われなかったり、仮に検査が行われても、なおざりな検査に終始したりすることが欠陥住宅被害を発生させる要因の一つになっています。


建設省は現在建築基準法の改正作業に着手していますが、日弁連は、現行建築基準法の枠内でも、建築主事の人員を増加させるなどして、完了検査や中間検査の厳格かつ十分な検査体制の一層の強化が必要と考えます。


また、現行の建築主事の検査権限と検査方法を実効あるものにするために、建築主事から委託を受けた「住宅検査官」(仮称)に、住宅建築の節目(例えば地盤、基礎、軸組、断熱、配管配線、竣工)ごとに設計図書や日本の標準的な技術基準への適合性を検査・確認させた上で次の建築工程に進めさせるものとする第三者の中間検査制度を新設すべきであると考えます。


さらに、1997年3月2日に建築審議会が取りまとめた「二十一世紀を展望し、経済社会の変化に対応した新たな建築行政の在り方に対する答申」では、民間企業・団体等が、建築確認・検査を行政に代わって行う仕組みを構築し、行政による監査や処分の厳正な実施等の間接的コントロールにより制度の適正な運営を確保する方式へと移行すべきとしている点は、非常に問題であると考えます。


以上のように、日弁連は、建築基準法改正に関する意見書を10月17日に取りまとめ、建設省に提出しました。


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