栃木刑務所における信書検閲に関する人権救済申立事件(勧告)

栃木刑務所長宛て勧告

2013年1月22日


 

栃木刑務所にて受刑中の申立人が、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関して、その調査を行う国又は地方公共団体の機関並びに弁護士、弁護士会及び弁護士会連合会に対して、未開封かつ不検閲で信書を発信する方法を「教示願い」にて尋ねたところ、栃木刑務所から「不許」と回答されたため、当該信書の内容を収容施設に知られた場合に自己が不利益を被ることを恐れて、信書の発信ができなかった。



栃木刑務所が、「不許」と告知したことは、憲法13条、21条及び32条、並びに国際人権(自由権)規約19条2項、14条1項等の国際準則、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律127条により保障された、受刑者が法的な問題について専門家ないし専門機関である弁護士等と自由かつ秘密に通信する権利、ひいてはその裁判を受ける権利を侵害するものであるとして、特別の事情がない限り、内容の検査をすることなく信書を発信させるよう勧告した事例。 

 

執行後照会に対する回答

栃木刑務所長

<栃木刑務所長名回答・2013年8月26日>

 

受刑者の発する信書については、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第127条に基づき、必要に応じて、適切に検査を実施している。なお、平成23年7月下旬頃からは、制限区分、優遇区分その他信書の発受の相手方との関係等を考慮し、より柔軟に信書の検査の要否を判断しています。